国際バカロレア(IB)Psychology(心理学)では何を学ぶの?

この記事は2020年2月24日に公開されたものです。

 

こんにちは、まゆうです!

今回は、国際バカロレア資格(IB)で取れる科目の一つであるPsychology(心理学)では、具体的に何を学ぶのか?ということについて書きたいと思います。

こちらの記事は、

  1. 国際バカロレア(IB)のPsycholgoyでは何を習うの?
  2. Psychologyを取った感想は?
  3. SLにするべき?HLにするべき?

以上のような疑問を解消できるものとなっていると思います!

そもそもPsychology(心理学)って何?

Psychologyでは、人間の心や行動を科学的なアプローチを取って学びます。

人間の心や行動に対して仮定を立て、それを実験によって立証します。

国際バカロレア(IB)のPsychology(心理学)

IBのPsychologyでは、CoreトピックとOptionトピックを学びます。

Coreで扱われる3つのトピック(チャプター?)はSL・HL関係なくPsychologyを取る生徒は全員学ぶ必要のある基本的なトピックです。

Optionで扱うトピックは4つあるのですが、ここからHLの生徒は2つ、SLの生徒は1つ学びます。

では、まずはCoreから。

  1. Biological Approach
  2. Cognitive Approach
  3. Sociocultural Approach

続いて、Option

  1. Abnormal Psychology
  2. Developmental Psychology ←
  3. Health Psychology
  4. Psychology of human relationships ←

私はPsychology HLを取り、Optionの中からはDevelopmentalとhuman relationshipsを学びました。(←で指してあります)

しかし、Optionの方は学校や先生によって異なりますので、必ずしもこれらを学ぶわけではありません。

Core

Psychologyでは、人間の心や行動を学ぶために、様々な角度からアプローチします。IBでは、Biological、Cognitive、Socioculturalアプローチを学びます。

Biological Approach

Biological = 生物学的 という意味です。

Biological Approachでは、遺伝や脳が人間の心や行動に与える影響を学びます。

例えば、人間がうつ病になるのは遺伝的要素があるのか、それとも環境によるものなのか?

人間の知能は親から子に遺伝するのか?

などなど、遺伝子やホルモン、脳などを調べ、それらと人間の行動との関連性の深さを学びます。

習うことをまとめると、

脳:

  1. ホルモンが人間に与える影響
  2. フェロモンは人間に影響を与えるのかどうか
  3. Neuroplasticity (脳の一部が損傷しても、損傷していない他の部分がその役割を担うこと)
  4. Neurotransmitters(ホルモンのようなもの)が人間に与える影響

遺伝:

  1. ダーウィンの進化論を用いて人間の行動を説明する
  2. 遺伝子が人間に与える影響(環境やその人の意識ではなく)

Biological approachというだけあって、生物学に似た内容を扱います。

しかし、あくまで心理学なので、「遺伝子」、「ホルモン」のみを習うのではなく、それらが「人間の行動や心」にどう影響を与えているのか(あるいはいないのか)を学びます。

Cognitive Approach

Cognitive = 認知、認識

こちらでは、人間の意識や考えが、心や行動にどのような影響を与えるのかを学びます。

  1. Decision-making(選択をするとき)私たちの頭ではどのようなことが行われているのか?
  2. Memory(記憶)はどのような仕組みになっているのか?(=なぜ私たちは忘れたり、思い出したりするのか?)

Sociocultural Approach

Socio = 社会(society)

cultural = 文化(culture)

Sociocultural approachは、Biological approachとは真逆のアプローチです。

遺伝的要因ではなく、環境や文化などが人間の行動に与える影響を学びます。

学ぶ内容をいくつかリストアップすると:

  1. 文化とアイデンティティの確立
  2. 行動を習得するプロセス
  3. 文化と意識の関係
  4. 偏見(Stereotypes)

具体例:

  1. 偏見を持つことで、私たちの行動はどう変わるのか?
  2. 逆に、偏見を持たれることで、私たちは行動を無意識に変えることはあるか?
  3. 私たちはどのようにある行動を習得するのか?(周りの大人を見て、
  4. 社会の中で私たちはどのように自らの行動を決めるのか?

Optional

Developmental Psychology

こちらでは、人間のDevelopment(発達、発育)を学びます。

生まれたての赤ちゃんから大人になるまでに、

  1. 脳はどのように発達するのか?
  2. 意識(cognition)はどのように発達するのか?
  3. どのようにアイデンティティを確立するのか?

などを学びます。

Psychology of human relationships

こちらでは、人間関係を学びます。

具体例:

  1. 人間関係はどのように作られるのか?
  2. 人間関係はなぜ壊れてしまうのか?
  3. 人間関係においてコミュニケーションはどのような役割を担うのか?
  4. 人間関係における摩擦はどのように生じるのか?

Psychology(心理学)を取ってみて

感想

Psychologyは、私は特に面白いと思わなかった(つまらなかった。。)です笑

これは私の先生の教え方が私に合っていなかったという点も大きいと思います。

Psychologyは曖昧

Psychologyには何か明確な答えがあるというよりは、一つ(あるいは複数)の実験から、「人間はこういう心理が働いてこう行動を取るのではないか?」という憶測を立てるだけ、それ以上発展することはありません

ですので、人間の行動や心理はこのように説明がつく、と学んでも本当にそうなのか?と腑に落ちない部分も多かったです。

実際に、人間の行動や心理に対していくつもの異なる憶測や説明が出ており、それらのどれが正しいのかは分かりません。

もやもやが残るかも

ですので、もやもやした部分が多い科目であることは事実だと思います。

何を学んでもなんかすっきりしない、という感想を私は抱いてしまいました。

もしもう一度私がIBをやりなおすのであれば、おそらくPsychologyは選びません。笑

SLかHLか

他の記事でも度々言っておりますが、文系の生徒は絶対に文系の科目をHLにするべきです。

SLとHLの違いは、①難易度 ②習う範囲 の二つに分けられます。

文系科目は主に①の難易度の違いはなく、②の習う範囲が違うだけです。

つまり、暗記量が多くなり、それは勉強量を増やすだけで対応が可能になります。

しかし、文系科目は習う範囲が多くなるだけでなく、難易度もむずかくなります。

難易度が高すぎて勉強量を増やすだけでは対応できない可能性があるのです。(どれだけ勉強しても理解できず、テストでよいパフォーマンスができない)

ですので、バリバリの理系の方以外は、文系科目をHLにするほうがいいと思います。

私もPsychologyはHLを取り、最終試験では7点中6点を獲得しました。

最後に

いかがだったでしょうか?

この記事がPsychologyを取るかどうか迷っている方のお役に立てたら嬉しいです😊

最後までお読みいただきありがとうございました!